物体の2次元表面温度分布 (熱像) を測定する方法として, パイロビジコンを用いたものがある.筆者らはPVF2をターゲット材料として用いたパイロビジコンによる熱像カメラの感度向上に関して開発を進めて来た.その結果, 膜厚6μmのPVF2ターゲット, ダイオード型電子銃を適用したパイロビジコンを開発し, 従来のものに比べ1.4倍の感度の向上を得た.また, 8フィールド毎のチョッパ開閉に同期して, 各1フィールドずつ電子ビーム走査を行う “間欠読出し法” および間欠読出し法を発展させた “スイーピングモード法” という新しい信号読出し法を考案し, 後者の方法において, 従来筆者らが開発した1フィールド間欠読出し法に比べ, 上記パイロビジコン自身の改善とは独立に2倍の感度の向上を得た.