航空機が近くを通過する際に生ずることのあるテレビ受像画面の乱れ, いわゆる航空機フラッタ障害の予測法の研究の一環として, 受信電界変動の推定法について検討を行った.航空機の電波散乱特性を明らかにするために, B747型ジェット機の1/100縮尺模型を用いて, 電波無響室にて12GHz電波により散乱波の測定を行った.分析の結果, その電波散乱特性を46枚の長方形反射板で構成する散乱モデルで近似的に表示できることが明らかになった.また, この散乱モデルを用いた電界変動の計算結果を成田空港周辺で測定した値と対比したところ良い一致を示した.電界変動推定にこの方法を使うことにより, 航空機フラッタ障害の予測が可能であるとの見通しが得られた.さらに, この方法を用いた航空機フラッタ障害範囲を予測するための手順を示した.