HgCdTe光起電力アレイとSi-CCDからなる3~5μm帯64×64画素2次元IRCCDを試作した.本IRCCDでは, ダイナミックレンジを拡大するため, (1) 飛越走査 (インタレース) 読出し方式と, (2) 蓄積・転送共通電極構成を採用した.この結果, CCDマルチプレクサの最大転送電荷量を1.1×107電子と従来型に比べ2.6倍に増大できた.赤外センサ特有の出力ばらつきを補正するため, 直流オフセット補正と感度補正の2種の補正を行う方式を採用した.信号処理回路にはディジタルシグナルプロセッサ (DSP) を用い, 小型・高精度な処理回路を実現した.このIRCCDの平均 D*λP は, ピーク波長4.7μmで, 1.8×1011cmHz1/2W-1 (F/1光学系, 積分時間50μs) が得られた.ダイナミックレンジは画素間ばらつきを考慮して500倍である.また, 信号処理回路で補正を行い, 温度分解能 (NETD) 0.1K以下のリアルタイム熱画像を得ることができた.