MOSカメラの雑音低減を目的として新しいリサンプリング方式を考案した.この方式では, フォトダイオードから転送される信号電荷を順次センサ出力端子に蓄積していく.得られた階段状の信号波形に画素内平均化処理を加えた後, 隣接画素間の差分により原信号を再生する.階段状の信号の振幅を減らすためにセンサ出力端子をゆるやかにリセットすることにし, 4MΩ帰還の低雑音プリアンプを開発した.後段の平均化, 差分処理回路はIC化した.これらにより雑音を5dB低減し, F1.6のレンズで10lxの感度を達成した.さらに, 本方式は特に高周波雑音の抑圧効果が大きく, 高解像度化にも好適である.水平760画素のMOSセンサを用いて500TV本以上の解像度を達成した.本稿では, このリサンプリング方式の理論解析と試作による検証を中心にして報告する.