本シリーズのpart Iでは, 物理的な空間周波数が一定でも, 心理的な縞の細かさを表す主観的空間周波数 (SS周波数) は, 視距離や画枠の大きさにより変化することを報告した. 本論文 (part II) では, SS周波数の概念を適用することにより, 画面から受ける臨場感を定量的に記述しうることを示す.そのためにまず, 比例尺度値による臨場感の主観評価実験を行い, 次に臨場感に関する画質評価関数を構成した.その結果, SS周波数の対数によって表示したMTFから求めたパワースペクトルの積分が, 画面から受ける臨場感の程度をよく記述しうるという結果を得た.