CATVにおけるデータ通信のアクセス方式としては, 従来, ポーリング方式が広く用いられてきた.しかし, CATVシステムの大規模化に伴い, より効率の高いアクセス方式が必要である.そのため, 本論文では, ツリー状双方向CATVシステムにおいて, ケーブルの合流点にバッファを設ける手法であるレジスタ方式を提案する.本手法において, 各加入者は全く任意にデータを送出できる.この場合, ケーブルの合流点においてのみ他のデータと衝突を起こしデータが破壊される可能性がある.このため, ツリー状網の下流から伝送されてくるデータは, 合流点においていったん復調の後, バッファに蓄積され衝突を回避する.この後, バッファ内の各データは適当な優先順位に従って変調され, より上流の合流点へ向かって伝送される.理論解析を用い, 網の速度が10Mbpsの場合, アクセス方式として, ポーリング方式やCSMA/CD (Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection) 方式を用いた場合に比較し, 約1/10の伝送遅延時間でデータの送出が可能なことを明らかにした.