直交変換画像符号化において, 正規化後の変換係数は球対称分布に従うとモデル化し得る.球対称分布に対しては, 量子化代表点が同心超球面上に整列する量子化器は計算量および量子化性能の観点から優れた性能を示す.Bergerらにより導入された順列符号は, このような性質を有しており, 量子化に乗算を全く必要とせず, 高次元での量子化が可能である.しかし, 低次元あるいは高レートでは, 他の量子化法に対する優位性を保証し得ない.また, 高次元では符号語数が膨大となり, インデックス符号化に非現実的な高演算精度が要求される.そこで, 上記の問題に対処するため, 順列符号の概念を拡張して改良型順列符号を導入し, さらに, 演算桁数を制限した整数演算のみで実行可能, かつ, 符号化損失をほとんど生じないインデックス符号化アルゴリズムを構成した.また, 改良型順列符号が, 高シーケンシーの離散コサイン変換係数の量子化に有効であることを, シミュレーションにより確認した.