VDT作業者が表示色から受ける印象の変化, 作業による疲労および作業能率の3つに関して, 最適な表示色を総合的に検討した.画面表示した色は陰画表示が文字色緑と白の2種類, 陽画表示が4種類の白背景色である.被験者は5人で, それぞれ1時間の入力作業を1日1表示色の割で6週間継続して行った.表示色の印象の評価を1時間の入力作業前後および1週間ごとに実施し, 作業による表示色の印象の変化を見た.また, 作業前後にCFFを測定し, その変動率の大きさにより疲労の程度を推定した.作業能率は入力データの正答数から推定した.その結果, 次のことが明らかになった.作業により好ましさの印象の低下傾向が認められるが, 全被験者に共通して低下量の小さい表示色は見出せない.しかし長期間作業を重ねるにつれて, 作業前の好ましさの印象は陽画表示の方が悪くなるが, 陰画表示では好ましさの評価は比較的高くかつ安定した傾向にある.一方, 作業疲労が少なく, 作業能率も高い表示色は陽画表示に多い.