従来, 姿勢の情報が欠如しているので, まずNOAA画像中に含まれる幾何学的歪みは, 軌道計算値のみを用いて補正されている.次に通常, 軌道計算値は誤差を含んでいるので, 多くの地上基準点 (GCP) を含む海岸線データを用いて位置合わせを自動的に行い, 精密補正されている.しかしこの補正法では, 例えば梅雨時のように位置合わせを行う場所に多くの厚味のある雲が存在すると, 海岸線が見えないので位置ずれが不明になり, 通常GCPを含む海岸線データを用いた位置合わせは失敗する.したがって, 処理上余分な時間を要している.本論文では, 幾何学的歪み補正の処理時間を短縮するために, GCPを含む海岸線データを用いた位置合わせを行うか否かを自動的に判別する手法について述べ, いくつかの実験結果を通してその有効性を示す.また, GCPの数を減らすことは処理時間を短縮する一手段であるので, GCPの選定に関する実験結果についても示す.