知的画像情報処理には, 知識に基づく (知識を利用した) 画像情報処理と, 画像の意味内容に立ち入った画像情報処理という2通りの意味合いを考えることができる.画像理解の分野では, 3次元シーンの理解において, 対象や処理手法に関する知識の利用がいろいろと検討されてきた.一方, 画像理解とは異なる観点から, 画像通信・符号化や画像の編集・操作の分野を中心にして知的な処理要素の導入が進み, 新たな展開が活発になってきている.本稿では, まず知的画像情報処理の中で重要な役割を果たす画像情報の構造化について述べる.次に, 画像通信・符号化, 映像の編集・操作の分野における知的処理の基本的な考え方および研究動向について解説する.