本論文では, Webマイニングとソーシャルネットワークサービス, そして実世界でのICカードを用いた学会支援システムについて述べる. 我々は, 人工知能学会で2003年, 2004年, 2005年と3年間, 学会支援システムを運用している. 本稿では, 特にシステムの中で得られた3つのデータに着目し, その分析を行う. 3つのデータとは, Webマイニングによって得られた参加者の関係性のデータ, システム上でソーシャルネットワークとして知り合い登録を行った知り合い関係のデータ、そして実世界でユーザが情報キオスクを利用したというインタラクションのデータである. この3つのデータを比較した結果, Web上の情報が知り合い登録の生成に, 知り合い登録情報が実世界でのインタラクションに, それぞれ関係があることがわかった. これらの知見は実世界指向インタラクションのシステムデザインにとって有用であると考えられる.