教師なし分類の代表例であるFuzzy c -Means (FCM) 法は, データ集合をいくつかのクラスターにファジィ分割することで多変量データの構造を捉える手法であるが, 量的な変量のみからなるデータ集合にしか適用できない. カテゴリカルデータを取り扱う際には, しばしば質的なデータの数量化が施される. すなわち, 個体と項目のカテゴリーの関連を良く表す散布図を得るために, 両者に得点を割り当てることが目的となるが, その手順は個体の得点の割り当てと与えられた得点を用いた主成分分析を繰り返すものであるとみなすことができる. 本研究では, 量的な変量と質的な変量の両方を含む混合データベースのクラスタリングに対する新たなアプローチを提案する. FCM法のクラスター中心とメンバシップの算出を繰り返すアルゴリズムに質的なデータの数量化のステップを組み込むことで, 質的な変量も量的な変量と同様に取り扱う. 数量化のステップではメンバシップとクラスター中心を考慮しながら, FCMクラスタリングに適した得点が割り当てられる.