本論文では, 歩行者ナビゲーションにおける経路選択に個人の好みを反映させる手法を提案し, そこで用いるファジィ測度・積分モデルの評価を行う. 提案手法では, 道路満足度評価モデル (RSEM) によって予測される道路の主観的満足度にもとづいて経路を選択する. 道路満足度評価モデルにはファジィ測度とファジィ積分が用いられ, 道路の主観的な印象を表す道路属性が道路満足度評価モデルへ入力される. ファジィ測度から読みとれるユーザの好みにあわせて, どの道路属性を用いるかを決める. 被験者実験と道路満足度評価モデルの解析によって, 個人の好みを反映した満足度の高い経路が選択されていることと, 個人の好みにあったモデルが構築されていることを示す.