本論文では,幼児のように知識のない状態からユーザの画像に対する発話を手がかりに名詞概念(画像に対するラベル)を獲得していくシステムを提案する. このような新しい知識を学習するシステムによって,現在のコミュニケーションロボットが抱える「ユーザがすぐに飽きてしまう」という問題を解決することができると考えられる. 本システムは,名詞概念をより効率的に獲得するためにラベル獲得ルールというものを生成する.ラベル獲得ルールの妥当性を調査する性能評価実験の結果,全体の26%のルールが80%以上の有効率で名詞の抽出が可能であることが明らかになった.また,評定尺度法を用いた印象評価実験では,全ての項目で中間点である4.0ポイントを上回る結果が得られ,本システムが幅広いユーザに好印象を与えることを確認した.