本稿では,ウィジェットの適応レイアウト(FWL)問題に対する新しいアプローチを提案する.これは,FWLをファジィ制約充足問題(FCSP)として定式化するものである.グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)の自動生成において,ウィジェットのレイアウトの最適化は最も重要な課題の一つである.さらに,モデルに基づいたユーザ・インタフェース(UI)設計の分野では,UIの論理仕様記述の要求を満たすウィジェットの中から最適なものを選択することも必要である.このウィジェット選択を伴うレイアウトを FWLと呼ぶ.FWLでは,(1)どのウィジェットを使用し,それらをどのように並べるのかを決定すること,及び,特に実行時に UI生成を行う場合,(2)そのレイアウトをある時間内に完了させることの 2点が要求される.本研究では,選択の望ましさをファジィ制約として定式化することによって,FCSPに対する既存の汎用的な手法をFWLに適用することを可能とした.そして,これによりウィジェットの選択とダイアログ・ボックス内への配置の自動化を実現した.特に,レイアウトの過程を三つのフェーズに分け,FCSPの解を求めるアルゴリズムを適用することにより,実用的な処理速度を実現した.