国内における少子高齢社会の到来により,高齢者や子どもの見守りのため,家庭用パートナーロボットの開発への期待が高まってきている.しかし現状のロボットはシナリオに依存することが多く,自然なコミュニケーションを実現できてはいない.本研究の目的は,環境と発話内容の関係性を学習することで,人間とロボットの間での自然なコミュニケーションを実現することである.本論文ではロボットが環境と発話内容の関係性を学習するためにスパイキングニューラルネットワークを用いた手法を提案した.提案手法を用い,コミュニケーションを通じて,ロボットが日用品の用途を学習する実験と,時間と発話の関係を学習する実験を行った.実験の結果,ロボットが人間との相互作用によって認知環境に基づいた発話内容の更新を行えるようになる,ということを示した.