本稿では,自発的に話しかけるロボットの話しかけ手法として,機能紹介対話手法を提案する.機能紹介対話手法は,ロボットが自身が持つ機能を見てみるか尋ねることにより,情報提供を受ける意図はないが,ロボットが持つ機能を見てみたいと思う人間を対話に引き付けることを狙う手法である.機能紹介対話手法を実装した案内ロボットを大学の入学センターで運用し,ロボットとの対話ログ・対話後のアンケートデータを解析した.対話ログの解析から,通常対話を行うロボットと比較して,機能紹介対話を行うロボットは,より多く案内を開始し,かつ,対話の終了を示す発話を認識した.さらに,アンケートデータの解析から,機能紹介対話を行うロボットが,自分の活動を邪魔されたという印象を低減していることが認められた.