遺伝的アルゴリズム(GA)は適用範囲の非常に広い,生物の遺伝メカニズム(ネオダーウィニズム)を模倣した学習アルゴリズムである.一般にGAはランダム的要素を含んだ探索手法のため,いくつかの問題を含んでいる.中でも,交叉率や突然変異率などの遺伝的パラメータが一定であるため,GAにおける探索性能は初期や収束期において常に最適であるとは限らない.このため,我々はすでに進化の高速化と解の高質化に基づく効率的な探索を行うファジィ適応型探索並列遺伝的アルゴリズムを提案している.しかしながら,この手法ではファジィルールの入力部に最大適応度と平均適応度のみを用いているため,進化における探索ステージを把握する精度が良くない場合があると考えられる.さらに,テスト関数の次元が増えるとともに探索性能が悪くなるといった問題がある.そこで,本研究では高次元関数の最適化問題にも良い性能を持つ改良手法を提案する.また,提案手法の性能を検証する比較シミュレーションを行ったので,その結果についても報告する.