本論文では,学術論文誌や学術会議がもつ専門領域(Specialty)の中でも他の周辺学術領域との関係性により相対的に生まれる対象領域を象徴する研究分野の特徴的な部分集合を見えざる専門性(Invisible Specialty)と呼び,この専門性をその分野の初心者に提供することで,研究分野把握を支援することを試みる.まず,投稿論文の分類実験による研究分野把握の精度比較により,専門家と初心者の把握能力に有意差がないこと,および,専門家と初心者では把握の内容が大きく異なることがわかった.さらに,提案手法により研究分野間の階層的関係性をネットワーク化し可視化を行なうことで,初心者の研究分野把握を,専門家より高くかつ安定して提供できることを確認した.