本論文では,パターン識別におけるファジィIf-Thenルール生成の高速実装法を提案する.提案手法では,GPGPUを使用した並列計算を活用することにより,計算時間の短縮を図る.GPGPU開発環境CUDAには,行列演算を実装したライブラリが同梱されており,ライブラリのソースコードが一部公開されている.これをファジィルール生成過程における学習用パターンと前件部ファジィ集合へのメンバシップ値計算に応用することにより,従来法では直列で行われていた計算を並列化させることができる.数値実験では,様々な次元数やパターン数のパターン識別問題に対してファジィルール生成に必要な計算時間を比較し,提案手法によるファジィルール生成法により,計算量が多くなるほど計算時間が従来手法より短くなることを示す.