現在,多目的最適化問題の中でも,多数目的最適化問題が注目されてきている.これは,計算機の性能向上により,GAなどの進化計算手法の適用が可能になりつつあるためである.多目的最適化問題においては基本的に,様々な目的関数を満足した多様な解を得ることを目的としているが,実問題においては,ある目的関数の値のみが極端に良いような解候補は,ユーザにとって必要な解ではなく,それらを広範囲に求める多目的GAの探索メカニズムが必ずしも有効には働かない可能性があると考えられる.そこで本論文では,探索途中に,ユーザが探索の方向をインタラクティブに変更することで,ユーザにとって実用的な解候補を,より効率的に探索できる手法について検討を行う.本論文では,看護師勤務表作成問題を用いて,提案手法の有効性について検討する.