建設CALS/ECが推進される中,公共事業の更なる生産性の向上を図るためには,ライフサイクルに亘った図面の利活用が重要となる.しかし,図面はライフサイクルの各フェーズでフォーマットが異なっている.例えば,国土交通省の道路事業では,測量は拡張DM,設計や工事はCAD(SXF),維持管理はGISで管理している.そのため,国土交通省では,拡張DMからCAD/SXF変換,CAD/SXFからGIS変換のシステムを開発し,データの利活用を図っている.一方,地方公共団体の運用に着目すると,公共事業で利用する測量や設計,工事のフォーマットは国土交通省と同様である.しかし,維持管理では,拡張DMで管理していることが多い.そのため,地方公共団体では,工事成果のCAD/SXFデータを拡張DMに変換し,維持管理で利用する拡張DMデータを効率よく整備するニーズがある.しかし,諸外国や日本では,CAD/SXFから拡張DMに変換する標準仕様や変換システムが整備されていない.本研究では,CAD/SXFから拡張DMへの変換仕様を考案し,CAD/SXFから拡張DMに変換するシステムを開発した.そして,実験データおよび公共事業で利用されている工事成果の図面(CAD/SXF)を拡張DMに変換する実験を行い,本研究で考案した手法の有用性を確認した.