対話的情報検索である適合フィードバックを分類学習として捉え,性能の高い分類学習アルゴリズムであるサポートベクターマシン(SVM)を適用する対話的文書検索手法が提案されている.このとき,文書の適合度を表現する,SVMにおける符号付距離が,ベクトル空間モデル上でどのような特性を持つのかは,明らかになっていない.そこで本研究では,SVMにおける距離を用いた適合度を定式化し,対話的文書検索における従来手法であるRocchioの手法との比較分析を行った.また,そこから得られた知見より,SVMに基づく手法に適したカーネルを提案し,本手法の有効性を検証するために検証実験を行った.Boolean,TF,TFIDFの文書ベクトル表現について比較した結果,すべてのベクトル表現で性能が向上し,特にTFベクトル表現において,性能が大きく向上することがわかった.