書道は東洋の造形芸術であり,水彩画や油彩画などと同様に良く知られた美術の1つである.本研究は非写実的画像表現に関する研究の一環として,毛筆フォントデザインを取り上げる.ここでは,実在する書道作品を参照事例とし,既存の毛筆フォントをリデザインする手法について述べ,本手法で作成した出力を例示する.ここでは,とくに参照事例の “掠れ表現” に着目し,専門的な知識や高度な操作スキルをユーザに要求することなく,実在する書道作品の持つ高い質感を毛筆フォント上に再現することを試みる.