甘藷澱粉に各種の燐酸塩を反応させて得た生成物の粘度,透光度を測定した。 燐酸塩の種類によって粘度特性が異りpHによっても大きく左右される。アミログラフのベースラインより上昇しないもの(6%濃度)から1,000B.U以上の高い粘性を示すものまで得られた。アルカリ性側で反応させると糊化温度は上昇し膨潤速度は抑制される傾向を示し,特にpH10.0以上ではその傾向は強くなる。 反応時間の延長と,使用量の増加によって冷水に膨潤し,糊化して粘性を示すものが得られたが,トリポリ燐酸ナトリウムを使用したものに比して,燐酸1.2,ナトリウムを混合したものボ,粘性,糊化温度に急激な変化を不した。 オキシ塩化酸,トリメタ燐酸ナトリウムを反応して得られた生成物は糊化温度が高く,95。Cに1時間加熱攪拌しても粘度の低下を示さないものが得られた。 燐の含有量,反応時間とpH等については更に検討中である。 本報告を行うに当り種々御配慮賜った農林省食糧研究所,鈴木博士,貝沼技官,並びに鹿農試山村博士に対し厚く感謝の意を表する。