市販コムギデンプンの粉体特性の解明のため見掛け比容積の測定法について検討し,落差1cmのカムによりタッピングを行うことが測定誤差よりみて妥当と考えられたので,測定装置を試作し粒度,水分などの影響について検討した。 この結果コムギデンプンの見掛け比容積は粒径の増大,水分の上昇により大きくなり特に水分が12%以上になると急激な上昇を示し,デンプン粒子の架橋構造が発生することが原因として考えられた。またコムギデンプンの粉体としての特異現象であるきしみおよびぼたつきについて検討したところ見掛け比容積との関連が大きく,前者は小さく後者は大きな値を示す傾向がみられ,デンプン粒子の堆積構造の差違によりかかる現象が発生することを推定した。 本実験を行うにあたり種々御指導載いた当社常務取締役河村百合雄氏,中央研究所次長勝屋登博士,および実験に協力された舟松賢次郎氏に感謝致します。