デンプンの濡れの難易を簡易に測定する方法について検討した結果,よく洗浄した内径8mm前後のガラス管に見掛け比容積が1.4~1.6になるようにデンプン粉末を充てんし,水中に直立させ水の上昇距離を読みとることによって再現性よく測定できることを知った。そして市販の各種デンプンについて比較検討したところ,濡れ易さはジャガイモデンプン>トウモロコシデンプン>コムギデンプン特>コムギデンプン一等>コムギデンプン並の順位であり,この原因はデンプンの粉末粒径よりもメタノール抽出物で代表される脂質を主とした不純物含量と大きな相関があるものと推定された。 本実験を行うにあたり種々御鞭撻を載いた当社常務取締役河村百合雄氏,中央研究所次長勝屋登博士,および実験に協力された石渡万二氏に厚く感謝致します・ 本報告の概要は澱粉工業学会昭和39年度大会で講演した。