小規模な連続処理装置を用いて,藷澱粉工場のノズル廃液をパン酵母により処理した。1.処理液のCOD原液濃度が7,000PPm以下のときは10時間,10,000PPm以上のときは20時間まで急激に低下し,それ以後徐々に低下し2,000ppm程度になった。COD除去率,酵母量ではノズル廃液は稀釈しない方がよかった。2.粗蛋白質の除去率は曝気槽中のPHによって大きく影響をうけ,pH4・0以上のときは50%以下,pH4.0以下になると70%以上となった。3.処理液の濁度を測定すれば,ある程度酵母量を推定できた。4.曝気槽中の泡立ちを完全に防止するには,消泡剤(KM-73)をCODkg当り約309必要とした。5.本実験に要した通気量は活性汚泥法による産業廃水の処理と比較するとBODkg当り約2.8倍であった。6.ノズル、廃液を処理した結果,曝気槽中のpHを4.0以下に維持すればCODおよび全糖分除去率は実験室で甘藷汁を処理した場合とほぼ同程度であった。 終りにのぞみ,本実験に御協力をいただいたエイト株式会社の諸氏に深く感謝致します。 なお本実験は愛知県公害防止技術開発費により行なった。