デンプンを苛性ソーダで糊化しまた苛性ソーダ共存下で糊化,接着さぜる段ボール接着剤への利用を中心に,苛性ソーダ中における各種デンプンの挙動を検討して次の事柄が判明した。 1)苛性ソーダ中における各種デジプンのアルカリアミログラムや粘度の経時変化,及び糊化温度を測定した結果耐アルカリ性はトウモロコシ〉サツマイモ〉コムギ〉ジャガイモデンブンの順に弱化の傾向をみせた。 2)アルカリによる糊化と加熱による糊化ではその様相に大きな相違があり,特にサツマイモ,コムギデンブンにおいてはその挙動が逆転する。 3)gelatinization in situの方式による接着においてはデンプンの粘度上昇速度勾配の大きい程強い接着強度を示し,デンプン粒は適度の膨潤状況を呈することが必要で分散段階においては接着力は低下する傾向をみせる。 4)段ボール接着剤としては市販デンプン中トウモロコシデンプンが最適と考えられ,この原因はデンプン粒のミセル強度が適度に強くその上均一のためと考えられた。 本研究を行うにあたり種々御指導戴きました当社常務取締役河村百合雄氏,及び実験に協力された小島隆寿,岸名松雄,根本春夫氏に感謝致します。