トウモロコシアミロース,トウモロコシアミロペクチン,および主として1,6結合より成るデキストランのリン酸エステルをつくるのに有効なリン酸化剤を見つけるために,種々の試薬を比較検討した。Orthophenyleneとbiscyclopropylcarbiny1のphosphochloridatesおよびdimorpholinophosphorobromidateによって,置換度0.7~1.0のリン酸エステルができる。Tetrapolyphos-Phateをtrialkylamine塩としてつかうと,大した分解なしに,たやすく置換度1.0あるいはそれ以上のリン酸エステルができる。この方法は簡単で推賞できる。この方法でつくられたリン酸エステルは高い粘度を示す。置換度が1.0よりずっと高いエステルをつくることは,荷電の反発によって難しい。これ以下では一級アルコール基と二級アルコール基,何れもリン酸化される。この多糖類リン酸エステルは,アルカリ加水分解には非常に安定であるが,酸によっては徐々に加水分解をうける。