1.澱粉糊中に溶出している成分は大部分がアミロースで,澱粉粒中のアミロースの70~90%が溶出した。膨潤澱粉粒は大部分がアミロペクチンである。 2.玉蜀黍澱粉を130゜に加熱すれば澱粉粒は完全に溶解するが,極限粘度,アルカリ数ヨード滴定,ヨード呈色強度等の測定結果より見れば分解している恐れがある。 3.澱粉を糊化するに要する苛性ソーダの濃度は0.12~0.13Nで,粒が完全に溶解消失するには約1Nを必要とする。 4.澱粉一苛性ソーダ溶液中より苛性ソーダを除くには水道水に対して約40時間透析後電気透析によつて完全に除去出来るが電気透析の際発熱する欠点がある。又水道水に対し透析後イオン交換樹脂処理によつて残つて居る苛性ソーダを完全に除くことが出来る。 5.玉蜀黍馬鈴薯澱粉をN-苛性ソーダに溶解後62時間水道水に透析,イオン交換樹脂で処理した澱粉溶液について極限粘度,アルカリ数の測定をおこなつたがその値は無処理澱粉の値と殆んど変らなかつた。即ち此等の操作中に澱粉の分解はほとんどおきないものと考えられる。