甘藷から澱粉を製造する際,甘藷の成分中澱粉の白度を左右する物質を追求するために,先づ甘藷を皮部,形成層,外中心および中心の4区に分離し,各々の部位について粗脂肪,粗蛋白および灰分等を分析し,かつ各々の部位より製造した澱粉の白度を測定した。そして各成分量と澱粉の白度について考察を加えた。その結果,皮部よりつくつた澱粉の白度が著しく悪く,又皮部に脂肪,灰分等の量が多く,しかも不溶性蛋白が多く含まれることを知つた。このことより,これ等の成分が澱粉の白度に影響をおよぼすもののように考えられるが,これ等については目下施行中の実験結果によつて結論を得たいと思う。