食パン(糖4%添加)用として,蔗糖と結晶ブドウ糖の製パン適性を種々の観点から比較検討を行った。まず醸酵性,生地の粘弾性および生地の膨脹に及ぼす影響をまとめるとっぎのごとくである。 (1)生地の醗酵性および液内醗酵性にはほとんど全く差は認められない。 (2)生地の粘弾性に及ぼす影響をBrabenderの装置によって検討した。Farinograph ,Extensographによる検討の結果,結晶ブドウ糖は蕉糖に比べて,生地をしめ・いわゆる[こし]を強くし,反対に[あし]の伸びを低下させる傾向が若干認められる。 また構造緩和をいくぶんおくらせる傾向もある。 Amylographにおいては両者の間に差は認められない。 (3)生地膨脹力およびZymotachygrapheによる検討の結果・生地膨脹および生地の炭酸ガス保持に対しても,ほとんど差を認めない。