アサガオカルス細胞からショ糖リン酸合成酵素を約13倍に部分純化し,性質を検討した. 本酵素の分子量は約38万であった.至適pHは6.5付近にあり,至適温度は45℃ 付近にあった.本酵素は45℃ 以下で安定であり,55℃ を越えると急激に不安定になった. 種々の化合物および代謝産物の影響を調べたところ,EDTAは酵素活性をわずかに阻害し,UTPとUDPは強く阻害した.MgCl2およびMnCl2は酵素活性を約2倍に賦活し,クエン酸も若干酵素活性を賦活した.しかし,三者とも濃度による酵素活性の調節は認められなかった. F-6-PおよびUDPGのKm値はそれぞれ1.3mMおよび2.1mMと計算された. これらの結果から,アサガオカルス細胞におけるショ糖の生合成は本酵素のレベルでアロステリックに代謝調節されているとは考えられなかった.