経営経験者である実務家の立場から、経営革新への支援を使命とする経営品質活動への課題について二つの視点から期待をこめて提言をする。 まず、経営革新における経営者の責務を、MBプログラムと経営品質プログラムの制定過程おける日米比較から論じた。結論は経営に対する経営者の進取の気性、それに裏づけられた競争能力と独創能力が経営革新を成功させるための重要な要件であるとした。その上で、経営者が互いに学びあい競い合いこれら能力を向上させる場づくりが、日本における今後の継続的な経営革新実現のための不可欠の要件であると考えた。 さらに、経営品質プログラムについて、プログラム作成の基本的な骨格の組みなおしと教育方法への改革を求めた。前者については革新の担い手を経営者・管理者・社員・推進スタッフなどに区分しそれぞれの役割に応じたプログラムの提供を目指した再編を、後者については講義を中心にしたやり方を理論の理解・実践への適用・効果の確認・方法の改善への改善サイクルを早く回せる方法への改革を求めた。特に経営品質プログラムに導入期に有効であるから。