情報システムは日々高度化し、経営活動にとって不可欠な存在となっている。一方で、情報システム投資の経済性評価については有効な方法が見いだせていないのが現状である。本研究は、情報システムの投資効果を経営組織の成熟度の高さで測定することを試みる。経営組織の成熟度を評価するにあたり、1.経営戦略と整合性のとれた情報化戦略立案力の成熟度、2.情報システムマネジメント力の成熟度、3.モニタリングシステムの成熟度、という3分野の成熟度に着目し、情報システム投資の経済性評価方法を検討する。続いて、成熟度をベースとした情報システム投資評価フレームを提案する。さらに、投資評価フレームを事例企業に適用し、フレームの有効性検証を試みる。