中国西部地域は東部地域に対する格差低減を目指して、活発に高度技術産業の開発を促進している。大学発ベンチャ(URE)はいわば大学が直接地域経済開発に関与できる基本手段である。本研究では、中国成都にある2つの事例を詳細に調査することにより、UREsの新しい動きを明らかにする。中国西部地域は低開発地域ではあるが、ハイテクUREsの育成には、むしろ「後発有利」の力が働く。内部要因と外部要因の両側面からの分析により、2つの事例の経営モデルと事業戦略上の類似性と相違点を抽出し、そのダイナミズムを検証する。