魚の煮汁を冷やして得られた “煮こごり” は, 日本の伝統的な料理である. 本研究では魚の代わりに鶏手羽先を材料として加熱温度及び加熱時間を変化させた煮汁から得た “煮こごり” ゲルを調製し, ゲル化及び溶解過程における動的弾性率の変化並びにゲルの破断応力を測定し, 物性の変化を追跡した. さらに, SDS-PAGE, サイズ排除クロマトグラフィーにより溶出たんぱく質の分子量分布並びに抽出コラーゲン量の変化を微視的に追跡した. 鶏手羽先から得た “煮こごり” は高温長時間加熱により硬いゲルを形成し, 煮こごりゾル中に含まれるたんぱく質は熱加水分解により, 加熱時間の経過に伴い低分子化していることが明らかとなった.