シート内に米と水を入れ,湯煎加熱する真空調理粥の調製方法について検討した.沸騰までに5分(S),20分(M),30分(L)要する加熱速度で湯煎加熱し,全加熱時間は35分とした.蒸らしについてはコンロ上で行う「コンロ上蒸らし」とコンロから下ろして行う「コンロ下蒸らし」,蒸らしを行わずそのまま加熱を続ける「加熱」の3つの条件とした.沸騰後高温に長く保ったSの加熱速度の粥は,粥からの分離液量,遊離水分量が少なく,粥飯粒の長さ,面積は大きく,やわらかく,凝集性,付着性が大きい粥となった.Lの加熱速度の粥は沸騰継続時間が短く,分離液量,遊離水分量ともに多く,かたく,凝集性,付着性は小さかった.官能検査では,Sの加熱条件の粥は舌でつぶしやすく,軟らかいと評価された.真空調理粥の調製は沸騰までの時間を短く,沸騰継続時間は長くなる条件で加熱し,消火後は高温が維持できる蒸らし条件を採用すると成績の良い粥になることが分かった.