快適な衣生活のために, 既製服のサイズ選択に関する指標を資することを目的とした. そこで, 3次元動作分析により衣服着用時の衣服下の身体の動きと衣服の動きを同時に捉えた衣服の動作適応性について, サイズの違いから検討した. 若年女性22 名を被験者として, 1 サイズ小さいものから3サイズ大きなものまでの5サイズの前あきシャツを実験衣とした. 動作適応性と着用感に関する官能評価によりサイズの影響について考察した. その結果, +1 サイズ~+3 サイズは-1 サイズと適正サイズよりも肩関節の動作可動域が有意に大きいことが明らかとなった. しかし, +1 サイズ以上大きいものを着用しても可動域が大きくなるわけではないため, 動作性の効果を求めて大きなサイズを着るというのであれば, +1 サイズでよいことが明らかとなった. また, たとえ, 動作時に衣服が動いて身体を露出する可能性があり, 動作後に着崩れを直す必要があったとしても, 着用者は, 体の動きと連動して動くサイズのシャツを最適なサイズと評価していたことが明らかとなった.