著者らはこれまで高分解能デジタルカメラなど専用の撮影装置を用いて画像処理による洗浄性評価方法を開発してきた．本研究では家庭用デジタルカメラを使用し，屋内・外における複数の撮影条件での洗浄性評価の可能性を検討した．まず，マクベスカラーチェッカーを複数の条件で撮影し，その色票のXYZ値を算出した．続いて，木綿基質に有色油性汚れを付着させ，室内の蛍光灯と白熱灯を光源とし家庭用デジタルカメラで撮影しアプリケーションから付着量パラメータを算出した．その結果，家庭用デジタルカメラを用いた場合に，XYZ値の算出精度は専用の装置による場合と比較して若干劣るものの，RGB値からXYZ値への変換に二次近似変換を用いることで高い算出精度を示すことが確認された．また汚れの定量結果に蛍光灯と白熱灯の違いは影響せず，実際の付着量と高い相関性を有する値が算出できた．