鶏筋原線維タンパク質 (Mf) にマルトースをメイラード反応を用いて糖修飾させると抗酸化能が発現した.そこで我々は,より強い抗酸化能をもつ糖修飾鶏Mf を得るために温度,相対湿度,反応時間,Mf ―マルトース重量比の各メイラード反応条件を改良し,より高い抗酸化能が発揮される反応条件 (65℃,41%,36h,5w/w) を見つけた.この条件下において,スーパーオキシドジスムターゼのIC50 (1.5 U/mL) をもとにスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性 (SOSA) を算出したところ,541 U/g of protein という値が得られた.この値は乾燥デラウエア抽出物 (700 U/mL) と同程度の値であった.さらに,軽くペプシンで消化すると,溶解度は31.5% から58.5% に上昇したが,SOSA は半減した.このことは,タンパク質の形はともかくも,一次構造かまたは特定のペプチド配列が,糖修飾鶏Mf の抗酸化能を発揮するのに寄与していることを示唆していた.