胴部・腰部形態の特徴をとらえ, これらの形態とフレアースカートのフレアー効果との関係を検討するために, 身体計測項目を示数値と計測値間の差で取り扱い, フレアースカート着装時の計測項目も加え, 因子分析を行った結果, 次の結論が得られた. 1) 計測項目17に対して4因子が抽出され, このなかで身体計測値間の差 (とくに胴囲と下方5cm間の周径差) と示数値 (とくに腰部5ヵ所の平均値) が, 腰部形態を特徴づける項目として第1・第2因子に抽出され, 累積寄与率が50%以上を占める. 2) フレアー効果のなかで, すそ形状から計測される波高は, 示数値すなわちへん平度に関与していることが明確になった. 以上から, フレアー効果を設計段階にフィードバックするには, 他の要因, たとえば素材特性あるいはパターン作図法自身の問題などについてさらに検証を重ね, 推定式として表すことが必要と考えられるが, 本実験によってフレアースカートを設計するさいに, 身体の計測データのみでなく, 示数値 (へん平度を示す), 胴囲位置とその下方部位問の差 (くびれ度を示す) の項目を加え, この項目値をパターン上に展開させることにより, 人体への適合度およびフレアースカートに要求されるフレアー効果を高める結果となることが導かれた.