1) 食品のテクスチャーを人間の生理学的な面から調べる目的で, 圧力変換器を埋め込んだ義歯を作製し, 咀嚼中に歯にかかる力である咀嚼圧を測定した. 2) 食品を噛んだときの咀嚼の荷重一時間曲線のうち, とくに食品を口に入れて第1回目に噛んだ荷重-時間曲線が, 食品のテクスチャーを強く反映していた.この荷重-時間曲線の形に基づいて食品を四つのグループに分類した. 3) 咀嚼パターンより得られた, 平均咀嚼圧 ( f ), 咀嚼回数 ( N ), 咀嚼時間 ( T ) は食品のテクスチャーの特性を強く反映していた.一方, 咀嚼1回あたりの平均咀嚼時間 ( T/N ), および咀嚼1回目の加圧時間 ( t 1)は被食品を通してほぼ一定であり, テクスチャーの影響はみられなかった.