カードランの水懸濁液に油脂など疎水性物質を均一に混合し, 加熱すると, それらの物質を含んだカードランのゲルが得られる.さらにそのゲルを板などの間にはさみ, おもしを置いて放置すると, 水のみが除かれ, 油脂などは固体中に残る.この乾燥物を水中に浸すと, 水を吸い, ゲルにもどる.3%のカードランゲルには約24%濃度までの油脂が均一に含まれ, これから圧力で水を除き乾燥すると, 約85%の油脂を含んだ乾燥物が得られる.油脂の含有量に応じてゲル強度は減少し, 離水率も減少する.再生ゲルはもとのゲルよりもゲル強度は高くなる.スクアレン, β-ピネン, リナロール, リモネンまたトコフェロールもカードランのゲル中に含まれ, これらを含んだカードランの乾燥物も得られる.コーンオイルとともにデンプンを加えるとゲルの離水を減少させることができる.これらのゲルは食物や工業への利用の見地から重要である.