卵白泡をゼラチン溶液に混合してマシュマロを調製し, マシュマロとしてのテクスチャーをそなえた試料を調製可能な配合を決定し, 砂糖およびゼラチン濃度の影響について比重, オーバーラン, テクスチャー特性を測定し, 顕微鏡による気泡の観察, 官能検査の結果とあわせて前報で報告したゼラチンを起泡剤とする試料の特性と比較検討した. 1) 卵白を15%用いた場合のマシュマロを調製可能な配合は砂糖濃度を x (30~60%), ゼラチン濃度を y (2~12%) とすると, 上限濃度 y =-0.17 x +13.9, 下限濃度 y =0.10 x +9.0の2本の直線にはさまれる範囲にあり, 砂糖濃度の大きいほど調製に適当なゼラチン濃度は低くなり, その範囲はせまくなった. 2) 本試料の比重には, 砂糖およびゼラチン濃度の影響はほとんどみられないが, ゼラチン濃度増加により平均気泡個数は増加し, 平均気泡体積が減少した.硬さ, 凝集性, ガム性は砂糖およびゼラチン濃度に依存し, 濃度増加により弾力が増しかみ切りにくくなったが, ふわふわ感, 粘り, テクスチャーの好ましさには有意な差はみられなかった. 3) 起泡剤として卵白を用いた試料およびゼラチンを用いた試料の両試料において, 砂糖とゼラチンにはマシュマロの特性を構成する要素として互換性が認められたが, 卵白添加により同砂糖濃度におけるゼラチン必要濃度は低下した. 4) 砂糖およびゼラチン濃度の等しい場合には, 卵白添加により比重は大きく, 気泡は小さくテクスチャー特性値は増大し, 官能的にはふわふわ感が低下したが, 製品はそれぞれ好まれていた.