ニワトリ胚を用いて, 骨ならびに血清BGP含有量に及ぼすT4投与の影響を, 骨代謝と関連させながら観察した. T4を10日目胚 (1μg/chick), ならびに14日目胚 (1あるいは2μg/chick) に投与したが, 10日目胚に投与した場合だけ, T4投与による骨のBGP含有量の減少ならびに血清BGP含有量の増加が観察された。また, 骨ならびに血清カルシウム含有量の減少傾向, 血清Al-P活性の増加傾向も, T4投与により観察された. 以上の結果から, ニワトリ胚の孵卵10日目にT4を投与することにより血清BGPレベルが増加し, 骨BGPレベルが減少したのは, 骨吸収が促進されたためであろうと推察された.さらにT4の投与時期が重要であることが明らかにされた.