本実験では鶏卵素麺を実験的に調製し, その組織構造から, 鶏卵素麺の製法を推考した. 1) 組織構造の面から, 鶏卵素麺は連続相が太く, 気泡の大きいものがよい.卵黄液に砂糖添加したものでは, 卵黄の凝固が不十分で, 細く切れやすい連続相をもつ組織を作り, 良い製品は得にくい. 2) 卵黄液は, 攪拌後40分放置させたものが粘度が下がって, 押しだしやすく, 加熱糖液の温度は60%砂糖濃度の沸点が望ましい.また, 60%糖液加熱では卵黄麺からの浸出物が少なく, 糖液の濁度値は低い. 3) 鶏卵素麺のつやは砂糖液の影響のほか, 卵黄球から滲出した脂肪も関与していると考えられる. 卵黄の洗い水を添加する効果については本実験からは認められなかった.