1) アンゴラ兎毛単独, およびアンゴラ兎毛が混紡された編地は, 羊毛単独の編地にくらべ, ドライクリーニングによる洗濯や乾式回転処理により収縮しやすく, その収縮の程度はアンゴラ兎毛の混紡率が高くなるほど著しい. 2) アンゴラ兎毛単独, およびアンゴラ兎毛が混紡された編地を, 乾式回転試験機で処理した結果, 面積収縮率はアンゴラ兎毛の短毛を使用した編地が長毛を使用した編地にくらべ, わずかに低い. 3) アンゴラ兎毛単独, およびアンゴラ兎毛が混紡された編地を, 乾式回転試験機で処理した結果, 表面の毛羽や編目の乱れおよび毛羽の脱落など編地の表面状態の変化は, アンゴラ兎毛の混紡率が高くなるほど著しい.また, アンゴラ兎毛の混紡率が同じ場合には, アンゴラ兎毛の長毛を使用した編地は, 短毛を使用した編地にくらべ毛羽の脱落は少ないが, 表面の毛羽や編目の乱れが著しい. 以上の結果より, アンゴラ兎毛単独, およびアンゴラ兎毛が混紡された製品に対しては, 洗浄, 乾燥時に毛羽や編目の乱れなどを促進するような機械力を与えないことが重要である.すなわち, 回転洗浄, 回転乾燥は望ましくなく, 水やクリーニング溶剤での押し洗い, および自然乾燥が適している.