本実験では, Bacillus natto IAM 1114菌から製造した納豆より部分精製したプロテアーゼを対象にして実験を行い, 以下のような結果を得た. 1) カゼインを基質にしたさいのプロテアーゼ活性は, 菌接種後24時間で最大となり, 至適pHが7.0であり, pH10でも同程度の活性を示した. 2) 本酵素はエンドプロティナーゼ活性を示し, DFP, EDTAにより阻害されたが, PCMB, ペプスタチンでは阻害されず, ズブチリシンに類似した酵素系と推定される. 3) 本酵素は大豆タンパク質を水解し, その水解率は最大約40%であったが, この場合, 遊離アミノ酸は1.5%と非常に少なかった。